
タックル数75のうちミスしたのは一つだけ、ディフェンスが試合の50%を占めていたが、心理的には恐らく90%を占める価値があった、とハンセン監督は語っています。
「自制心を持って、しつこく何度も起き上がってタックルし続け、相手のミスを誘う。そうすれば、チームは先んじることができると考え、心理的に優位に立つ。今大会では今までそれがとてもうまくいっています」と話しています。
来週末の準決勝、対イングランド戦は重要な試合になるでしょう。しかし、ハンセン監督は、次の対戦について語る時ではない、とも述べています。オールブラックスにはテストマッチのプランがありますが、一試合終わったら休息しリラックスする時間が必要です。
「今はこの勝利を喜びたい。オールブラックスにとっても、ニュージーランドの人々にとっても誇りにできる特別な試合でした。特にプレーした選手たちは誇らしく思うでしょう。明日までイングランドのことは考えないようにします」
アイルランドは経験豊富な選手を揃えてきましたが、オールブラックスは経験の浅い選手を出場させました。ハンセン監督は、経験の少ない選手が大きな試合に出場すると、その大きな場面で学んだ経験が選ばれる自信につながり、次に選ばれた大きな試合で良いプレーができるようになる、と述べています。
「熱意と意気込み、そして選ばれたチームのスタイルに従ってプレーする能力が本当に大事なのです。きつい試合やノックアウトステージを経験してきた選手たちのリーダーシップや経験ももちろん重要です」と述べています。
チームのうち11人はノックアウトステージで勝利した経験があります。
選手たちはアイルランドに負けたことが心に残っていました。
「過去38試合のうち2試合負けたことを何度も言う必要はなかった。チームはそれをわかっているし、忘れることはありません。我々は勝利よりも敗戦を何より覚えています。わざわざ話題にするようなことではない。誰もがそれをわかっています」と話しています。
ニュージーランドはアイルランドに敬意を表しています。アイルランドは強気で攻めてきました。彼らはもちろんそうしなければ次が無い、ということをわかって準備していました。
キーラン・リード主将は、前半で試合の流れが決まった、と話し、ディフェンスの土台となるフォワードがアイルランドに強いプレッシャーをかけることができたし、同時に攻撃することもできた、と語っています。
「彼らが序盤に攻めてきたプレーをやり過ごすことができ、トライをいくつか決めることができました。そこからフォワードが確実に前に出るチャンスをつかめたのです」
「きつい試合でしたが、今夜はチャンスを活かせたし、スコアを見ても我々は良くやったと思います」
バックス担当のイアン・フォスター コーチによれば、試合までの1週間、チームは試合に向けて意気込んでいた。アイルランドに対してはフォワード劣勢の予想をくつがえすプレーをしなければならなかった。フォワードの優れたプレーがバックスがより自由にプレーできる余裕を与えてくれた、ということです。
スクラム、ラインアウト、ラックからのボールは素晴らしかった、それがバックスに攻撃のチャンスを与えた、と語っています。
記者会見でハンセン監督はまず最初に、今大会で引退を表明しているアイルランドのローリー・ベスト主将とジョー・シュミット監督に労いの言葉を述べました。
「2人はそれぞれの役割でアイルランドに影響を与え、変化をもたらし、最高の仕事をしました。どこのチームでプレーするかは関係ない。そこにいる間に変化をもたらすことができるなら、それは素晴らしい仕事をしたということです」と述べています。
また監督は、ひどい背中の怪我から復活し、否定的な批評にも負けず活躍したリード主将を讃えました。リード主将は復帰後どんどん良い方向にむかい、チームをうまく引っ張り、ワールドカップではキャプテンとしてより高みを目指して活躍しました。
ハンセン監督はバックス担当のフォスター コーチ、ディフェンス担当のスコット・マックリード コーチ、そしてフォワード担当のマイク・クロン コーチにも感謝の言葉を述べました。